うちのダンナさんが大腸憩室炎という病気で、バムルンラード病院に入院しました。
3週間ほど前から通院していましたが、抗生物質を飲んでもいっこうによくならず、検査に検査を重ねて、大腸憩室炎であることが判明。即刻、入院となりました。
めったにない大病院の個室入院生活。大事ではない病気ということもあり、しっかりと観察してきました。
ムダに広い一人部屋
入院当初は2人部屋でしたが、2日後に個室へとお引っ越し。別に希望したわけじゃないのですが、入院するときに、「個室がいいですよね?」みたいなことを言われて、「そうですね」などと答えたら、個室にお引っ越しとあいなりました。
LINEで「びっくりするよ」とメッセージがあったので、ある程度覚悟して行きましたが、いやいや、予想を大きく上回るゴージャスぶり。
まず驚いたのがフローリングだということ。
コンドミニアムの入り口ではありません。病室の入り口です。間口が広い。
入り口から奥を見たところ。ざっと40平米ぐらいあるでしょうか。ゆったりというか、でかいというか、ムダというか、とにかく広い。
右手は戸棚になっていて、扉や引き出しを開けるとモノがいろいろ入れられます。なにも使っていませんが。
窓際です。大きなソファの上にシルクのカバー付きクッション。センスも座り心地もいいです。
壁にはフォトフレームがかかってます。一連のこのフレームはトイレにもありました。
もちろんテレビもちゃんとあります。
部屋の手前にはダイニング。電子レンジもついています。レンジの下は冷蔵庫。
清涼飲料が各種。このほかミネラルウォーター500mlが4本ほど。消費するとすぐに補給してくれました。
流しの上の戸棚を開けると食器が。このほかのコーヒーカップやスプーンも用意してありました。ミロ、ネスカフェ、グリーンティーのティーバッグも毎日2袋(使うと補充される)。ミロ、ネスカフェともに甘味ありなのがさすがタイ。というか、甘い飲料の方が中東の人にも好まれそう。
トイレもすべて木目調。落ち着く雰囲気がいいですね。
トイレの隣はシャワールーム。折りたたみ式椅子が設置されているので、座ってシャワーをあびれる仕組み。備品もばっちりです。
まるでホテルのアメニティ。いや、それよりも充実しているかも。
だって、これですよ。ティッシュ、歯ブラシ・歯みがき、シャワーキャップ、髪留め、コットン、綿棒、タルカムパウダー、シャンプー・コンディショナー・ボディジェル。持ってかえらなきゃ(ああ小市民)。
ソフトの充実ぶりにさらにビックリ
この病院のすごい点はハード面だけでなくソフト面も充実している点。
最初に驚いたのは、入院するときに何もこちらで用意しなくてもいいことですね。日本で前にダンナが入院したときにも母が入院したときにも、やれパジャマだ、歯ブラシだ、コップだ、タオルだといろいろな備品を家から持っていきました。それが当たり前だと思っていました。
ところがこちらの病院ではそれが一切必要なし。パジャマというか着衣(上下に分かれている)はちゃんと用意されているし、毎日取り替えてくれます。バスタオルもフェイスタオルもあるし、アメニティキットに歯ブラシ歯みがき、ヘアケア類も揃っているので、用意する手間がいりません。使えば、すぐに補充してくれるし、水もジュースもあるし、本当に何もいらない!
結局、家から持っていったのは、ひげ剃りと暇つぶし用の本やイヤホンぐらい。これは楽、本当に楽。
英語・アラビア語・日本語がデフォルト?
病室にはデリバリー用のフードメニューがいくつも設置されています。
インデックスがたくさん付いているのでなんだろうと思ったら料理の種類でした。
ベジタリアン、ウエスタンソフト、ウエスタン、タイソフト、タイ、アラビア、日本など約10種類。ソフトというのは、どうやら低残渣食みたい。中を開けてみました
これは日本食のページ。日本語と英語の表示。
こちらはアラビア料理のページ。当然ながらアラビア語と英語表記。
ああ、ここではアラビア語圏の患者さんが本当に多いんだなとしみじみ。
テレビのチャンネルもすごいです。
アルジャジーラはもちろん、アブダビTV、ドバイTVのほか、オマーン、クウェイト、イエメン、サウジ、カタール、ムスリム、スーダン、ネパールTVなんてのも映る。全70チャンネルです。
バムルンラード病院の中には日本料理店やフードコートもあるのですが、そちらからのデリバリーも可能でした。
日本料理店AYAMEのメニュー表です。
こちらはフードコートのメニュー。デリバリーを利用すれば家族の病室でいっしょに食事を楽しめるというわけです。
メディカルツーリズムというのはこういう医療サービスのことなんだなあby Fukiko
英語はできた方がいい
うちのダンナは今回、クレジットカード付帯の保険で入院しているので、キャッシュレス。本当にありがたいことで、実費だといったいいくらになるか、それはそれで興味があります(あとでわかると思うけど)。
日本人だと日本語通訳つきなので、検査や診療時にはそう困りはしないのですが、やはり英語はできた方がいい。というのも、いま1日に2回、違う先生が診察をしていまして、一人のときには通訳なし。あと、点滴が切れたときとか、何かを訴えたいときには看護師さんに連絡をすることになるので、このときは基本英語(かタイ語)です。
もちろん現地語ができれば一番いいのですが、それが難しいのならやはり英語でないと、けっこうな場面で困ることになりそう。ということで、改めて英語の必要性を痛感しました。
周りの患者さんを見ても、多くの人が英語でやりとりをしています。ダンナが最初同室だった韓国の男性も英語を使っていました。患者側も英語がある程度できること。それがメディカルツーリズムを利用する前提のように感じます。
JCI認証を初めて得た病院
バムルンラード病院はタイにおける医療ツーリズムの中心的存在です。前にこの記事でも書きましたが、ここは2002年でアジアで初めてJCI認証を受けた病院であり、医者もスタッフも看護師さんも働く人は基本、英語ができる(お掃除の人などは別です)。
JCI認証とは医療の質と安全に関する国際標準を満たすことを示す、米国の国際医療機能評価機関(JCI)の認証)。メディカルツーリズムにおいては必須の認証といってもいいでしょう。患者の安全性が担保されているか、高品質な医療が提供されているか、院内に継続した改善活動が行われる仕組みを有しているかが評されます。
そして、表記の多言語化や通訳の充実化など患者との効果的なコミュニケーションも、認証基準の1つなんですね。
東南アジア主要国でJCI認証を受けている病院の数を調べてみました。
- タイ 60
- 日本 24
- 韓国 31
- 中国 89
- シンガポール 19
- マレーシア 14
- 台湾 17
- ベトナム 4
- フィリピン 5
- インドネシア 25
- インド 36
人口比からいっても、タイの数字は際立ってます。だてにメディカルツーリズムに力をいれているわけじゃないんですね。ついでに韓国の多さにもびっくり。人口で考えるとかなり多い。おそらく国策として注力しているのでしょう。
日本も着実に認証を得る病院が増えているようですが、今後はどうか。治療する側される側にとって「英語が前提」となっていることを考えると、このへんの教育をなんとかする必要があるように思います。
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